Ortigia 33 緑の門とシエスタ



オル 6/21 緑の門2
アルシュ/F8






オル 6/21 キャンディー・バタフライ
キャンディー・バタフライ/




オル 6/20 トマト


古い石畳を時折馬車が通る。
窓の下、日がな一日、駐車場の整備をしている、片足の悪い小父さん。レンガ色にくしゃくしゃと焼けた彼はヘビースモーカーで、人間煙突のごとし。
昼間は特定のカフェに現れる。


オル 6/20 不倶のひと
不具のひと/




オル 6/21 海帰りの親子
海帰りの親子/





オル 6/21 読書











Date: 2018.05.09 Category: SICILY  ORTIGIA マルコと唄う「Darling」 Comments (0) Trackbacks (0)

Ortigia  32 乳白色の壁とラビオリ 



オル 6/21 ラビオリ
トマトとバジル、イタリアンパセリを使ったラビオリ/




昼、街の奥まった通りにある老舗リストランテへ。
午後遅い時間で、ウェイターしかいない。大きなドーム型の天井と、同じく石造りの奥の部屋にひっそりとしたワインセラーが見える。






オル 6/21 昼のギャルソン




オル 6/21 昼前菜
前菜/


アンティパスト(前菜)に魚貝のマリネ、プリモピアット(第一の皿)にラビオリを選ぶ。
イタリア料理は、アンティパストにはじまり、プリモ、セコンドと続く。
プリモットにはパスタ、ニョッキ、リゾット、スープが含まれ、セコンドピアット(第二の皿)には、魚料理と肉料理が含まれる。最後はドルチェ(デザート)。
どの店も前菜はボリュームも種類も豊富で、アンティパストと第一のパスタだけを組み合わせても構わない。
例えば魚のフリットの大皿が最初の場合、パスタの途中でお腹がくちくなることはよくあることで、余程お腹を空かしたディナーの時でなければ、全部のコースというのはとっておいた方がいい気がする。
それなりの店では、パンに上質のオリーブオイルの入った小皿が副えられてくる。パンも噛むほど美味しいし、オリーブオイルも土地のものだけに風味が良い。黄緑色の液体だけを、一寸舐めてみても美味しいのである。

オリーブオイルでマリネされた魚貝は新鮮で、柔らかく蒸してあり、イタリアのカツオブシが使われている。





オル 6/21 昼のワインたち
壜/







オル 6/21 昼のウェイター
ウェイター/






オル 6/21 昼デスク2
シェフ/




オル 6/21 昼デスク



オル 6/21 魚
仕入れられた海の恵み/




帰り道に、パスタ屋さん。
お菓子のような様々な色と形のパスタ。

ペン型のペンネ、マカロニをねじったカバタッピ(赤いトマトソースにアンチョビ、黒オリーブで濁らせた、カバタッピを使う「アッラ プッタネスカ」は“娼婦風”の意でイタリアでも人気のあるメニューの一つ)、貝殻の形のコンキリエ(生ハム、マスカポーネとパルメザンチーズ、バタなどのソースを絡める)
筋の入った筒状のリガトーニ、リボン型のファルファッレ、ねじの形のフジッリ、種の形のセミーニ、
耳たぶ状はオレッキエッテ、、、
家や舟、飛行機型を細かく模した自由自在なパスタ。ほうれん草やトマトで色づけされている。




オル 6/21 パスタ



それぞれのパスタには、専用のソースがある。
例えば、スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ(卵、ベーコン、パルミジャーノチーズでつくるソース)にリガトーニ(筋のついた管状のパスタ)などは使わない。
パスタ・コルト(ショート・パスタ)には、アル・アッラビアート(“怒った”という意味)と呼ぶソースがつきものだ。
これは、唐辛子を沢山入れた南イタリアの料理で、二人分のペンネ・アラビアータにつき、赤唐辛子3〜5本を入れる。店で更に辛いのがいい時には、「Arrabbiatura(アラビアトゥーラ “激怒”の意)にして」と頼んでみよう。
ペペロンチーノをつくるとき、二人分で最低唐辛子2〜であるので、イタリア料理を家でつくってみようとする時、とりあえずキッチンに、にんにくと赤唐辛子、オリーブ油は欠くべからずである。
この三つさえあれば、他の材料を組み合わせて、パスタソースはつくれるし、イタリアの素材がなくても、日本で旬の食材を使えば本場とは又違った美味しさの料理ができるはずである。



オル 6/21 パスタ2
ショート・パスタ/









Date: 2018.05.06 Category: SICILY  ORTIGIA マルコと唄う「Darling」 Comments (0) Trackbacks (0)

Ortigia  31   斜光



オル 6/20 朝の窓
朝食/




オル 6/19 朝の果物2
アプリコット/




オル 6/20 クロワッサン



本物の、クロワッサン。
バターが新鮮で、中に濃厚なチョコレートが詰まっていて、ずっしりと重い。





オル 6/20 海
イオニア海/




オル 6/20 無花果



ギャルソンと顔見知りになってきたので、葉っぱ付きの無花果をもらい、部屋の窓辺に広げる。
とにかく果物は山ほどある。
日本の無花果よりも、葉は薄く、葡萄の葉っぱに似ている。

鬼才カラヴァッジョも、籠に入った、滴る果実を描いた。
東京で画学生となり、一人暮らしをしていた頃、よく画集を広げて見入ったが、まさか自分が彼の過ごした土地で同じモチーフを見るとは、当時想像もしなかったことであった。








Date: 2018.04.13 Category: SICILY  ORTIGIA マルコと唄う「Darling」 Comments (0) Trackbacks (0)

Ortigia  30   夜の部屋


オル 6/19 ソファ



前菜しか食べず、機嫌悪くホテルへと帰り着くと、あまつさえ頼んでおいた部屋の掃除はされず、散らかったままで、
昼の熱射を遮るため閉め切っていた部屋は、むっと澱んでいた。





オル 6/19 ティーバック



オル 6/19 チョコレート2





オル 6/21 バリティー



一階のサロンからもらって来たお茶を淹れる。
ポットはないので、お皿で蓋をして蒸らす。
フランス製ダマンのハーブティー、TISANE BALI は薔薇の花びらが広がり、仄かに甘い。

イタリアでなじみのあるハーブティーには、カモミッラ(カモミール)、サラダなどに使われるヴェレリアーナ(和名:ラプンツェル)、ヴェルベーナなどがある。


ハーブは、メソポタミア、エジプトなど古代から自然薬として利用されてきた。近年の研究では、霊長類も薬草を利用していたことが報告されている。薬草との付き合いは、人類になる以前のお猿時代から始まっていた。
即効性はあまりないかもしれないが、香りでリラックスしたり、身体の全体的な調整機能の回復をバランスを保ちながら促す作用がある。ヒトは、植物を衣食住あらゆる生活の中に取り入れてきた。
七百年も前、白いヴェールを纏ったフィレンツェの修道士たちは、庭に薬草としてハーブを育てていた。精神的な救いの他にも、肉体的な疾病から人びとを救うため、民間療法的な役割を担っていたのだ。
ルネサンス時代には、メディチ家の荘園で、薬草の研究が行われていた。イタリア料理に幅広く使われるミント(茄子と和えたり)、セージ、パンの上のフェンネル、マジョラム(ソーセージなどの肉の香りづけ)、ローズマリー、他それぞれに、医食同源の効果がある。

カモミールは、(大地のリンゴ)を意味するギリシャ語に由来し、消化促進、鎮静作用、発汗の作用としては入浴時の芳香成分として愛用されている。
熱湯を注いだ瞬間、猫のオシッコ臭を思い出してしまうのは私だけかもしれないが、黄色いカモミールの花がコップに浮かぶと、小さく円い影が幾つもコップの底に、揺れた。









オル 6/20 お茶


ルイボス( ROOIBOS) は、世界で南アフリカのシェダーバーグ山脈高原にのみ自生するハーブである。ルイボスの名前はレッドブッシュ(赤い薮)から来ており、独特の香りで奥深い味わいがする。レンガ色の細かい葉っぱは、厳しい環境で育ち、先住民族に古くから摘まれていた。
石壁と白く剥げたテーブルが朧に照らされ、静謐な夜に膝を抱える。日本は遥かに遠く、すぐそこにアフリカ大陸があることの不思議さを、思った。





オル 6/19 カモミール











Date: 2018.02.05 Category: SICILY  ORTIGIA マルコと唄う「Darling」 Comments (0) Trackbacks (0)

Ortigia 29    哀しみアコーディオン


オル 6/20 夜の路



空が群青に変わって、街の石壁にオレンジのライトが灯るころ、
昼とは別の街が現れる。

再び一張羅に着替え、予約をしたリストランテへ。







オル 6/20 ドゥオモ
夕暮れドゥオモ/



アテナ神殿。









オル 6/20 夜のギャルソン
ギャルソン/



こぢんまりとした古い建物の中は、天井も丸く洞窟のよう。




オル 6/20 鰯のマリネ
鰯のマリネ/


前菜が六種類も出る。
赤パプリカとトマトを煮込んだ、ペペロナータの海老添え、
サルデ・ア・ベッカフィーコ(鰯のマリネ)、野菜はルーコラ






オル 6/20 夜のテーブル二人







オル 6/20 ディナー前菜






オル 6/20 夜の支給



事件はプリモ(一皿目)のパスタをつついている時に起こった。
店の表からアコーディオンの音が聴こえ、十歳ほどの少年が、やおら弾きながらテーブル席にやってきた。
私は店のサービスと思い、少年に微笑みかける。
すると、少年は私のテーブルでぴったりと止まり、じっと顔を凝視する。
店とは関係のない、お鳥目集めである。

コインは全部部屋に置いてきて、筆箱にはお札しかない。
ペペオはカードしかない。

少年はくれるまでは微動だにしないといった風で、こちらは料理どころではなくなってきた。
テーブルの間隔は狭く、私の固い空気が他の席にも伝わる。
「ごめん、持ってないのよ」
と言っても全然動かない。蛇腹で一小節弾いては、止まってみせる。
その沈黙数分が20分くらいに感じられる。

向こう席の見かねた男性が手を伸ばし、少年に渡した。
次の席の男は、犬を追い払うような仕草をした。


今思えばそれだけのことが、恥ずかしさで一杯になり、子どもの家族はいるのだろうかとかいうことを想像し、次にきちんとした店であるのに子どもを入れた店に怒りが変わり、喉元まで一杯に膨らんだ。リゾットには殆ど手を付けずに店を出た。





オル 6/20 夜 ルーム貝








Date: 2018.01.30 Category: SICILY  ORTIGIA マルコと唄う「Darling」 Comments (0) Trackbacks (0)
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