Hội An 31 ホスピタル
。

2019年、HOTEL Little Riverside Hoi An。
熱が出ていたが、下がらず、ついに39.4度に。
苦行。
半泣きになり、国際電話で掛り付けの先生に電話する。
「それはインフルですね〜。タミフルだったら効くけど、24時間過ぎているからもう効きませんね。
ワッハハ。安静にするしかないですね」
ともかく日本語の通じる人と話せて安心する。

問題は今の状態でフライトできるかであり、保険に入っていたのでこれも国際電話で保険員と相談。
ホテルから近い大きな病院の、外国人専用窓口を紹介してもらう。

タクシー。
横になりながら描く。
臭い消しに、コーヒーとシナモン。

病院着。想像していたよりずっと大きく近代的な病院を前に、たじろぐ。
3階のがらんとした部屋で寝て待つ。
落ち着いた先生。入ってこられたときから、若いがこれはヴェテランだ、と安堵感を覚えた。
蓑虫の私を、つまらなさそうに一瞥して、
「関節の節々がいたむね」
(YES)
「イエローの鼻水と痰が(と、指で粘り具合を示して)出るね」
(YES)
と二三質問し、
数日後のフライトは出来ます、という旨を英語で言った。
その場で生温いコップに泡の出る白い錠剤を溶かして、飲め、と言われるまま飲む。
名状しがたいまずさ。



先生のお達し。
血液検査で異常はなく、フライトできる、という診断書。
世界がコロナ禍になる前のことである。
平たくて丸い、呑み込むのが大変な薬をもらいながら、雑踏から白い部屋に来た安心感で、一杯になった。

2019年、HOTEL Little Riverside Hoi An。
熱が出ていたが、下がらず、ついに39.4度に。
苦行。
半泣きになり、国際電話で掛り付けの先生に電話する。
「それはインフルですね〜。タミフルだったら効くけど、24時間過ぎているからもう効きませんね。
ワッハハ。安静にするしかないですね」
ともかく日本語の通じる人と話せて安心する。

問題は今の状態でフライトできるかであり、保険に入っていたのでこれも国際電話で保険員と相談。
ホテルから近い大きな病院の、外国人専用窓口を紹介してもらう。

タクシー。
横になりながら描く。
臭い消しに、コーヒーとシナモン。

病院着。想像していたよりずっと大きく近代的な病院を前に、たじろぐ。
3階のがらんとした部屋で寝て待つ。
落ち着いた先生。入ってこられたときから、若いがこれはヴェテランだ、と安堵感を覚えた。
蓑虫の私を、つまらなさそうに一瞥して、
「関節の節々がいたむね」
(YES)
「イエローの鼻水と痰が(と、指で粘り具合を示して)出るね」
(YES)
と二三質問し、
数日後のフライトは出来ます、という旨を英語で言った。
その場で生温いコップに泡の出る白い錠剤を溶かして、飲め、と言われるまま飲む。
名状しがたいまずさ。



先生のお達し。
血液検査で異常はなく、フライトできる、という診断書。
世界がコロナ禍になる前のことである。
平たくて丸い、呑み込むのが大変な薬をもらいながら、雑踏から白い部屋に来た安心感で、一杯になった。
Hội An 30 夕陽
。




Shower /

ジュース屋/
市場へ。


メントール/

Nhà may chợ Hội An /
生地が天井から地面まで何百種類も掛けてある通路の片隅に、
ミシン台。
四方から布地の匂い。
ここで客は生地と柄を選んで、オーダーメイドの服を仕立ててもらう。
働くプロのおばちゃんたち。

スイカ大のドリアンを、バイクの後部に括り付けて売り歩いているおじさん。

路地を出ると、河に夕陽が沈むところだった。
人々が一日の仕事を終え、数珠つなぎに橋を渡って帰るところ。
川の両端は何というのか知らないが、向こう側は舗装されていない原風景が広がっている。
それは本当に原風景と呼ぶべきもので、野焼きをしている煙が低く、ポクポクと流れてくる。
メコンとも違う、重いオリーブ色に澱んだ河に、市場のにんじんが流れている。
インドに行ったことはないが、インドみたいだなあと思った。




Shower /

ジュース屋/
市場へ。


メントール/

Nhà may chợ Hội An /
生地が天井から地面まで何百種類も掛けてある通路の片隅に、
ミシン台。
四方から布地の匂い。
ここで客は生地と柄を選んで、オーダーメイドの服を仕立ててもらう。
働くプロのおばちゃんたち。

スイカ大のドリアンを、バイクの後部に括り付けて売り歩いているおじさん。

路地を出ると、河に夕陽が沈むところだった。
人々が一日の仕事を終え、数珠つなぎに橋を渡って帰るところ。
川の両端は何というのか知らないが、向こう側は舗装されていない原風景が広がっている。
それは本当に原風景と呼ぶべきもので、野焼きをしている煙が低く、ポクポクと流れてくる。
メコンとも違う、重いオリーブ色に澱んだ河に、市場のにんじんが流れている。
インドに行ったことはないが、インドみたいだなあと思った。