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呼吸


ユリ /
百合/アルシュ



一泊二日の遠征から帰って一息つくと、突然手の平と足の裏が熱く腫れたようになり、全身に蕁麻疹が。





1


2



地図のようになってゆく。


蕁麻疹は過去二度
どちらも数時間で引いたので、病院に行く気はなかったが、呼吸のしずらさを感じ、タクシーで夜間外来へ。



点滴 9/11




駄洒落ばかり言うI先生と、ヤンキー風な看護婦さんと笑いのある診察を終えたのちの、点滴中に容態急変。
呼吸困難とばたばた手足が浮くほどの痙攣。
突然に身体がコントロールできなくなり、空中を蹴っている自分の足を見て混乱する。


サランラップを口に巻かれているか、透明な海で溺れている状態で息ができない。
「コー」とラップの隙間まから息が漏れ、涙がこぼれる。


駄洒落先生の顔色が変わり、タンカで運ばれ呼吸器。
手足がしびれて麻痺し、声の出ない七転八倒の身体が先生らに押さえつけられる。
「苦しいやろ、わかってる わかってるで」「ゆっくり息を吸え!」
と片手で医療器械の作業をしながら声をかけるI先生。ラップの隙間から吸っても、次が吐けない。
周りの看護士さんに、人工呼吸器を早くしろと罵声を浴びせている先生の声。
天井のライトを見て、死を覚悟する。


(村上春樹が一番苦しい死に方を小説で書いていたが本当だな、日本では犬猫を窒息死させているが、このやり方は
大変な罪だな)
などと、脳は考えていた。
そして、「死」の間際とは、自分が今まで考えていた暗く重たいイメージがあるとすれば、それより百分の一ほどあっさりしたものであった。


見ず知らずの、右手を握っている看護婦さんに、存命中の両親に何か伝えてもらう言葉を数秒考えたが、こうなると(もう、いいか)
と思った。





点滴2




次の日、私は生きていた。
しゃかしゃかと、個室の便所を、掃除係の方が磨いている音が聴こえてくる。








窓 9/11
病院の窓/









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Date: 2018.09.12 Category: 役に立たない日々 Comments (2) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

TOMOKONOMORI

Date2018.09.13 (木) 07:22:11


> ありがとうございます。

むざむざと生き残ってしまいました。

右肩から先き、手が一本しびれていましたが、動くようになりました。

(生命力)とは、植物の生気に触れて付けた題でしたが、

昨今の生の讃歌一辺倒の意味ではなく、脆さ儚さを含んだものです。

梨をたべたり、普通の生活はありがたいです。









タコノアシ

Date2018.09.12 (水) 18:30:24

良かったですね。
何しろブログタイトルが ”生命力” ですからねぇ!

くれぐれもお大事に・・・。

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Tomoko Morishima
【Shiga, Japan】




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